ストリーマ研究所 空気のマメ知識 花粉の飛散は年中無休!
一日の中でも注意すべき時間帯がある?

花粉シーズンといえば、春。そんなイメージを持っている人は多いのではないでしょうか。でも実は、さまざまな植物の花粉が日本全国で一年中飛散しているんです。飛散するシーズンや花粉の種類を知って、花粉症の予防に努めましょう。

実は一年中、日本のあちこちで花粉は飛散している

春は花粉のシーズンというイメージがあるかもしれませんが、これは最も有症者の多いスギ花粉が春先に飛び始めることが影響しています。しかし実際には、北海道から沖縄まで、一年を通して多種多様な植物が花粉を飛散させているため、年間を通じてケアを行うことが大切です。まずは、花粉の種類と飛散する季節を把握して、予防に役立てましょう。

  1. スギ本州~九州で
    2~3月に飛散
  2. ヒノキ本州~九州で
    3~4月に飛散
  3. イネ北海道~沖縄で
    6~9月に飛散
  4. ススキ北海道~沖縄で
    7~10月に飛散
  5. ホソムギ北海道~沖縄で
    6~8月に飛散
  6. オオアワガエリ北海道~沖縄で
    6~8月に飛散
  7. ハルガヤ北海道~九州で
    5~7月に飛散
  8. カモガヤ本州~九州で
    7~8月に飛散
  9. アカマツ北海道~九州で
    4~5月に飛散
  10. クロマツ本州~沖縄で
    4~5月に飛散
  11. ヨモギ本州~九州で
    9~10月に飛散
  12. セイタカアワダチソウ北海道~沖縄で
    7~11月に飛散
  13. ブタクサ北海道~沖縄で
    7~10月に飛散
  14. カナムグラ北海道~九州で
    9~10月に飛散
  15. シラカバ北海道~本州で
    3~5月に飛散
  16. イチョウ北海道~沖縄で
    4~5月に飛散

花粉の飛散ピークは1日2回!

その日の天気や地域にもよりますが、花粉の飛散ピークは1日に2回あります。まず、早朝に山から飛散した花粉が都市部に流れてくるため、午前中から昼過ぎにかけて1回目のピークを迎えます。
午後、この花粉はいったん落ち着き、2回目のピークを迎えるのが夕方。気温が低下することで空気の対流が起こり、上空の花粉が降りてきたり、地面に落ちていた花粉が舞い上がったりするためです。
1回目は通勤・通学、2回目は帰宅などで人の動きが多い時間帯ですので、マスクをするなど花粉対策をしっかりしておきましょう。

時間別にみた花粉飛散量

時間別にみた花粉飛散量 | 10時までは花粉が少ない、1回目のピーク:11時~14時、2回目のピーク:17時~19時 (2005年3月15日東京)

出典:花粉症環境保全マニュアル2009(環境省) 財団法人気象業務支援センター 村山貢司氏提供情報

そもそも、花粉症が起こるメカニズムって?

花粉が鼻の中に入って粘膜に付着すると、まず体内で抗体がつくられます。この抗体がマスト細胞と結合することで、アレルギー反応を引き起こす準備は万端。再び花粉が体内に侵入すれば、マスト細胞から神経や毛細血管を刺激するヒスタミンが放出され、くしゃみや鼻水などのアレルギー反応が引き起こされるのです。

花粉が鼻の粘膜に付着すると抗体ができる | 抗体とマスト細胞が結合 | 再び花粉が侵入するとヒスタミンを放出 | 神経や毛細血管を刺激しアレルギー反応が起こる

花粉の室内侵入にも要注意!

花粉は重いため風のないところでは地面に落下しますが、車や人に踏まれて粉砕されると軽くなって舞い上がりやすくなります。この粉砕された細かい花粉が家の中に入ると、なかなか外には出て行きません。主な侵入経路としては、窓からや換気によるものが約60%、外に干した洗濯物や布団からが約37%、帰宅時の衣服や髪からが約3%です。
換気は雨の日にする、洗濯物は花粉の飛散が少ない朝10時までに干す、帰宅時は玄関先で花粉を払い落とすなど、日頃から室内へ花粉を侵入させないように注意しましょう。

出典:花王株式会社 生活者研究センター2006年1月発表資料「花粉の室内侵入・持込み量とその割合」より(3~4人家族のふだんの生活(窓開け換気1時間、洗濯物・布団を外干しして払わないで取り込み、外出した人がそのまま入室するなど)を想定した場合のもの)

POINT!

  • 花粉は一年を通して日本中で飛散しているため、種類と季節を把握しましょう。
  • 「午前~昼過ぎ」と「夕方」の1日2回、花粉飛散のピークがあるので注意。
  • 抗体が結合したマスト細胞からヒスタミンが放出され、アレルギー反応が起こる。
  • 花粉を室内に侵入させないよう、経路確認と対策を実施しましょう。