ストリーマ研究所 空気のマメ知識 空気清浄機の寿命と耐用年数は?
長持ちさせる方法・買い替えサインについて

室内の空気をきれいに保つ空気清浄機を、毎日使っている人も多いでしょう。しかし、長く使うためには適切にメンテナンスを行なう必要があります。今回は、空気清浄機の寿命の目安、寿命を長持ちさせる方法、買い替えを検討すべきサインを紹介していきます。

空気清浄機の寿命は何年?

空気清浄機の法定耐用年数は「6年」とされていますが、寿命は「10年」と考えられています。

法定耐用年数とは、税務処理における減価償却期間のことで、具体的には税法によって定められているものです。製品に記載の耐用年数は経済産業省の安全表示に基づくもので同じ耐用年数でも法定耐用年数が異なることがあります。

実際の空気清浄機の寿命は、「フィルター」の交換時期が目安となっています。

集じんフィルターや脱臭フィルターなど、空気清浄機で使用する主なフィルターは、約10年に1回の交換が推奨されています。このことから、空気清浄機の寿命は10年が目安とされているのです。ちなみにこの目安は、集じんフィルターと脱臭フィルターの能力が、50%になるまでの期間となっています。

また、フィルターの寿命は、空気清浄機を使用する環境によって変わります。ですので、一概には断定できません。

空気清浄機を長持ちさせるには?

メンテナンスをしないまま空気清浄機を使用すると、フィルターにホコリが溜まり、本来の能力を発揮できません。性能を長持ちさせるため、フィルターを定期的に掃除するようにしましょう。

プレフィルターは2週間に1回、脱臭フィルターは、汚れやニオイが気になるときに都度、掃除機でホコリなどの汚れを吸い取ります。なお、水洗いは推奨されていないので注意しましょう。

集じんフィルターはお使いの機種によって掃除が推奨されていない場合もあるため、掃除前にマニュアルを確認してください。

また、加湿機能のある空気清浄機には、加湿フィルターが装着されています。加湿フィルターは水洗いできるものが多いため、汚れがひどい場合は中性洗剤を使ってもよいでしょう。

なお、空気清浄機の本体、ストリーマユニット、加湿タンク、センサーや電気集じんユニットなど、フィルター以外の部分も掃除が必要です。取り外して掃除できる部品は、一通り掃除することをおすすめします。

掃除のために取り外した部品は、マニュアルを参考に、正しい場所、取り付け方で付け直しを行ないましょう。

本体表面は柔らかい布で軽く拭く程度で問題ありません。センサーやユニットは、強く拭くと故障する可能性があります。お手入れの際は汚れた部分をブラシや綿棒などで軽く拭く程度にしましょう。なお、空気清浄機をお手入れする際は、感電やケガを防ぐため、電源のプラグを必ず抜いてから行ってください。

空気清浄機の買い替えサイン

空気清浄機をこまめにお手入れしても、使用年数が長くなると性能の低下や不具合が発生します。そこで、空気清浄機を買い替えるタイミングの目安となる症状を見ていきましょう。

空気清浄機から異音や悪臭がする

空気清浄機を長く使うと、異音や悪臭がする場合があります。ただし、異音や悪臭があるからといって、必ずしも寿命がきたとはいえません。

水滴の音、空気が抜けることで発するボコボコした音、ルーバーの動作音など、空気清浄機はさまざまな音を発します。ホコリが詰まっていたり、異物が混入したりすると、カラカラ、カタカタといった異音が起こることもあります。まずはどこから音が発生しているのか、原因を探してみましょう。

定期的にお手入れしており、かつ正しく使っていても異音が発生するときは部品に異常がある可能性もあります。購入から10年経過している場合は、修理のほか買い替えを検討しましょう。

悪臭も空気清浄機に起きやすいトラブルです。

空気清浄機から漂う悪臭は、フィルターや加湿用のタンクに繁殖した雑菌やカビが原因と考えられます。また、フィルターそのものが汚れている場合にも、悪臭がすることがあります。

詳しくは以前ご紹介した「空気清浄機がくさい!悪臭の原因と対策・予防方法」をご確認ください。

フィルターからのニオイの原因を突き止めるためには、まずすべてのフィルター・水タンク・トレーを外して運転させましょう。ニオイがなければ、集じんフィルター、脱臭フィルター、加湿フィルターの順に装着し、各フィルター1枚の状態で運転したときにニオイがあるかをチェックします。

ニオイがするフィルターが特定できた場合、お手入れ不要な集じんフィルターを除き、掃除機でホコリや汚れを取り除きましょう。水洗いできる加湿フィルターは、クエン酸を溶かした水でつけ置き洗いするのが有効です。

悪臭の原因がフィルターではない場合、本体に染み付いたニオイなどが原因と考えられます。フィルターをつけない状態で半日ほど作動してみて、ニオイが残るかどうか確認しましょう。

それでもニオイが消えない場合は、寿命の可能性が高いので買い替えを検討しましょう。

電源を入れても作動しない

電源のプラグをきちんと差し込んだ状態で、電源ボタンを押しても作動しない場合は寿命のサインです。

ただし、空気清浄機の機種によっては、チャイルドロック機能が作動していて電源が入らない場合があります。

故障を疑う前に、電源が入らない原因を突き止めましょう。それでも電源が入らない場合は、本体の故障が考えられます。

まとめ

空気清浄機の実際の寿命は10年が目安です。ただし、タバコを吸うなど、空気が汚れやすい環境の場合、寿命が10年に満たない場合もあります。

空気清浄機を長く使うには、フィルターや本体、部品などをこまめに掃除する必要があります。水洗いできない部品もあるため、マニュアルに従ってお手入れしてください。

なお、空気清浄機の異音や悪臭、性能の低下の原因が寿命のサインとは限りません。フィルターなどの汚れが大きく影響するため、定期的に掃除する習慣をつくりましょう。