ストリーマ研究所 空気のマメ知識 エアコンの室外機がうるさいのはなぜ?
騒音の原因と対処方法について

エアコンの室外機の音を、「うるさい」と感じたことはありませんか?屋外に置いているため、ご自身だけでなく、近所の方にとっても騒音にならないか、気になる方も多いのではないでしょうか。

室外機の音が大きくなる原因はいくつかありますが、適切に対処することで騒音を防げる可能性があります。今回は、室外機から出る音の原因と、その対処法について紹介していきます。

そもそも室外機の役割とは?

エアコンは室内機と室外機の2つがセットになって作動するもので、それぞれが異なる役割をもっています。室外機の内部にある圧縮機(コンプレッサー)と熱交換器、室内機の熱交換器がパイプ内で熱を運ぶ冷媒というガスの働きによって熱をやりとりし、冷たい風と暖かい風を作り出すのです。

冷房運転の場合、室内機に取り込まれた暖かい空気は、空気に含まれた熱だけを冷媒で室外機に運び、室内には冷たい空気を吹かせ、屋外には室内で取り込んだ熱を吹かせます。

一方、暖房運転では逆の動きがおこなわれます。室外機が取り込んだ大気中の熱が圧縮され、高温・高圧の気体に変化します。そして冷媒ガスで熱が室内機へと運ばれ、暖かい空気として室内に吹きます。

このように、室外機には冷媒を利用して外の空気と熱をやりとりする役割があります。

エアコンの室外機がうるさい原因

室外機の音がうるさくなる原因としては「室外機の前にものを置いている」、「外と室内の気温差」、「室外機の揺れ」、「室外機の経年劣化」、「機械本体の不具合」などが考えられます。それぞれ詳しく解説していきましょう。

室外機の前にものを置いている

室外機の周りに物が置かれていると、ガタガタという振動音やファンの音が反響して音が大きくなる原因となります。

室外機の周りに物が置かれている場合は、取り除いてください。

外と室内の気温差

外と室内の気温差が大きい場合、熱を交換する処理の負担が大きくなり、それに伴って動作音も大きくなってしまいます。また冬場は室外機に霜が付着し霜取り運転をしたり、運転停止時に冷媒の流れが変わり「プシュー」という音がしたりすることがあります。

室外機の揺れ

エアコンを運転させた時や霜取運転中は、室外機が振動する場合があります。土台に室外機がしっかり固定されていないと、室外機の振動により、ガタガタと音がする場合があります。

室外機の経年劣化

エアコンを長く使うと、当然ながら室外機も劣化してしまいます。室外機は熱交換器や圧縮機、モーター、ファンなど、さまざまな部品が使われています。複雑な構造で組み立てられた部品同士が、劣化によって噛み合わなくなると異音が発生する可能性があります。

機器本体の不具合

機体本体の不具合である可能性も考えられます。不具合の原因がわからない場合、メーカーか購入先に相談してみるといいでしょう。ただし、10年など長く使っている場合は、エアコン全体の寿命かもしれません。新しいエアコンは省エネ性能が優れているため、この機会に買い替えを検討するのもよいでしょう。

エアコンの室外機の音がうるさい時の対処方法

室外機の音が気になる場合は、原因に合わせて以下の対処法を実践しましょう。

室外機の前にものを置かない

吹き出し口がふさがれると、放出した熱風を再び吸い込んでしまうことで、冷却効率が著しく低下します。室外機の前はスペースを空けてできるだけ風通しをよくし、スムーズに空気が循環できるようにしましょう。

エアコンの設定温度を調整する

真夏や真冬など、外と室内の気温差が大きい季節は、エアコンの設定温度を調節することで室外機の騒音防止になります。設定温度を外気温に近づけて、エアコンの負担を軽減させるとよいでしょう。

室外機の置き場を見直す

室外機の振動が気になる場合、土台の置き場を見直すか、防振ゴムを利用しましょう。

室外機はプラスチックや石板の上に設置しますが、騒音を防ぐには硬さと重さのある土台に変えると効果的です 。なお、室外機は見た目よりも重量があるため、誤って落としてしまう可能性があります。土台を変えたり、室外機を移動させたりする場合は、専門の工事業者に依頼することをおすすめします。

また、防振ゴムは振動を吸収する働きがあり、室外機の振動による騒音を防ぐ効果が期待できます。土台と室外機の間に挟むタイプが一般的で、土台のネジを外して取り付けます。先に述べたように、重量のある室外機を無理に移動させるとケガの原因になるため、業者の手を借りておこなった方がよいでしょう。

室外機を修理・買い替える

経年劣化が騒音の原因の場合は、修理や買い替えを検討しましょう。

部品の不具合が音の原因だった場合、パーツ交換だけで対処できることもあります。しかし、エアコンの修理は故障箇所の数が多くなるほど、修理費も高くなります。エアコンの状態によっては修理よりも買い替えの方が安く済む場合もあるので、事前に修理代の見積もりを出すことをおすすめします。

エアコンの買い替えは、購入時から10年が目安とされています。なぜ10年かというと、修理に使う部品の保有期間が9年~10年とされているためです。室外機の音が気になったら、本体に貼られている製品寿命のシールを確認してみましょう。

10年ほど使ったエアコンを修理する場合、部品交換を要する修理は対応してもらえない可能性もあったり、購入するよりも修理の方が高くなったりする可能性があります。

室外機の騒音は近隣からの苦情にもつながる可能性があります。近隣トラブルを避けるためにも、古いエアコンは買い換え検討してもよいでしょう。

省エネ効果やエアコンの効きも10年前のものと比べて大きく向上します。エアコンの寿命という観点だけでなく、性能という面でも買い替えを検討してみることをおすすめします。

まとめ

エアコンの室外機は、空気の熱をやりとりする重要な役割があります。しかし、外気温と室温の気温差が大きい場合や、室外機が揺れてしまう場合など、音が出てしまうことがあります。

室外機の音を防ぐためは、今回ご紹介した原因がないか見極め、対処してみましょう。

「以前よりも音が大きくなった」、「以前しなかった音が突然するようになった」など音が気になる場合は、お買い上げのメーカーに点検をご依頼ください。

原因によっては、買い替えを検討した方がよい場合もあります。騒音の問題を解決させ、心地よい部屋で過ごせるようにしましょう。