ストリーマ研究所 空気のマメ知識 リモートワークで電気代はどうなった?電気代負担軽減にどのようなことをしているのか

新型コロナウイルス感染症の影響から、勤めている会社でリモートワークが導入され、働き方が大きく変わった方もいるのではないでしょうか。

国土交通省の「テレワーク人口実態調査(令和2年度)」によると、テレワーク制度等に基づく雇用型テレワーカーの割合は、9.8%(令和元年)から19.7%(令和2年)に倍増しています。テレワーク普及を目指す政府の方針、コロナ禍の影響を受け、テレワークの需要が非常に高まっているわけです。

これまでオフィスで行なってきた仕事を自宅で行なうとなると、電気代がいくらかかるか気になる方も多いかもしれません。本記事では、リモートワークと電気代の関係性について、アンケート結果をふまえて解説していきます。

リモートワーク前と後で電気代は増えた?変わらず?

新型コロナウイルス感染症の流行、働き方改革などをきっかけに、多くの企業がリモートワークを導入しました。

ダイキン工業株式会社はリモートワークを行なっている(行なった人)を対象にアンケートを実施しました。リモートワーク導入の前後で電気代を比較したところ、以下のようなアンケート結果が出ました。

電気代は上がったか?

リモートワークを導入した後、約半数の人が「電気代が上がった」と回答しています。

リモートワークを始める前、始めた後の具体的な電気代については、以下のとおりです。

リモートワークを始める前の電気代の平均

リモートワークを始めた後の電気代の平均

リモートワーク導入の前後で比較すると、4,000円~6,000円未満が6%減り、その代わりに6,000円~12,000円未満の割合が増加しています。

金額にすると毎月数千円ではあるものの、リモートワークの影響で電気代が増加傾向にあると判断できるでしょう。

電気代が上がった原因だと思う家電は仕事道具がトップに

リモートワーク導入によって電気代が上がっているのは、どのような原因があるのでしょうか。

リモートワーク実施者のアンケート調査によると、電気代が上がった原因として、以下の家電が挙げられています。

どの家電が原因?

「PCなど仕事道具の電気代」が61%、続いて「空調の電気代」が30%、「照明の電気代」が9%という結果が出ました。自宅で仕事をする際には、パソコンやスマートフォンなどを使う時間が増えるため、その分の電気代が高くなると考えられているようです。

リモートワーク導入の際には、「どこまで自分の負担が増えるのか」が気になるかもしれません。リモートワークに対する会社からの支援については、以下の結果が出ています。

リモートワークに伴う会社からの支援

必要な端末の貸し出し、通信回線費用や光熱費の一部負担、支援金などのサポートを受けられる人もいる一方で、「支援が何もない」という回答が約4分の3を占めました。

リモートワーク導入が次々と行なわれるなか、会社からの支援を期待できず、個人の負担増に苦労している方も多いことがうかがえます。

約半数の人がリモートワーク中でも節電を意識している

実際に電気代が増えたとき、節電を意識しながら生活をしている人はどのくらいいるのでしょうか。リモートワーク中の電気代について、節電を意識している人の割合は以下のとおりです。

節電への意識

少しではありますが、節電を意識している人(56%)が意識していない人(44%)を上回りました。

節電を意識していると回答した人の、具体的な節電対策は以下のとおりです。

  • こまめに電気を消す。
  • 使わない家電のコンセントを抜く。
  • 寒さ(暑さ)対策のため、服装を調節している。
  • エアコンを消費電力の低い温度に設定している。

これらの方法は、テレビやインターネットでもよく取り上げられる内容で、決して難しいものではありません。リモートワーク中の電気代の負担を抑えるため、多くの人が小さな努力を積み重ねて、節電に取り組んでいることがわかります。

リモートワークに伴う新たな家電の購入・買い替えを検討した人は少数

リモートワーク導入をきっかけに、新たに家電の購入・買い替えを検討する人もいます。自宅での仕事をより効率的に行なうための家電、自宅で快適に過ごすための家電が求められるようになりました。

ただし、「家電の購入・買い替えを検討したかどうか」の質問に対しては、約7割の人が「いいえ」と回答しています。リモートワーク導入で家電の購入・買い替えを検討する人はいるものの、割合としてはそれほど多くはありません。

リモートワークに伴う家電の買い換えを検討しているか

ちなみに、「はい」と回答した人は、具体的には以下のような家電の購入・買い替えを検討しています。

購入・買い換えを検討している家電

リモートワークに欠かせない「パソコン」の購入・買い替えを検討している人が3割を占めました。次いで、加湿器や空気清浄機といった、長時間家で快適に過ごすための家電に人気が集まっています。

新たな家電の購入・買い替えは価格が重要視される

新たな家電を購入・買い替えを検討する場合、どの部分が重要視されるのでしょうか。リモートワーク実施者のアンケート結果は、以下のとおりです。

家電の購入・買い換えのポイント

家電の購入・買い替えのポイントとして、価格や電気代に注目する人が約半数を占めました。

また、家電買い替えの具体的なタイミングについては、以下のアンケート結果から確認できます。

家電を買い換えるタイミング

家電を買い替えるきっかけとしては、やはり「壊れたとき(48%)」が多いことがわかりました。「壊れていないけれど、新しい家電に買い替えたい」というよりは、「壊れるまで今の家電を使いたい」という人が多いようです。

ただし、古い家電を使い続けることが最善の節約方法とは限りません。パソコンやエアコンに関しては進化がめざましく、買い替えによって結果的に得をする場合もあります。

買い替えで仕事の効率が上がったり、節電につながったりするケースもあるので、「古くなったときに買い替える」という意見が出てくるのもうなずけます。

まとめ

2021年8月には、電力会社による電気代の値上げも行なわれました。「リモートワークで電気代が気になっていたら、電気代の値上げもあるなんて……」という感想を持った方も多いはずです。

電気代や家電の購入費用など、金銭面の負担が増大するなか、自分たちなりに新しい働き方を見つけていく必要があります。

電気代を節約する方法、省エネ性能の高い家電を選ぶなど、小さな工夫を積み重ねながら、ニューノーマル時代を乗り越えていきましょう。

■調査概要
調査名 :リモートワークの電気代に関する調査
調査対象:20代以上のリモートワークを行っている人 100人
調査方法:インターネット調査